救急外来は今日も混んでいる——その背景にある「正しく受診できない」という構造問題

「熱が38度以上あるけど、これは救急に行くべきなのか、明日まで様子を見ていいのか分からない」「胸が少し痛いけど、大げさだと思われないか心配で病院に行けない」——こうした迷いを抱えた経験は、多くの方に心当たりがあるのではないでしょうか。受診すべきかどうかの判断が難しいという問題は、患者さん個人の知識の問題ではなく、医療へのアクセス設計そのものの問題です。

日本の救急医療は今、深刻な逼迫状態にあります。厚生労働省の統計によると、救急搬送件数は年々増加傾向にあり、2022年度の救急自動車による搬送人員は約622万人にのぼりました。その一方で、軽症者が救急外来に集中することで、本当に緊急性の高い患者さんへの対応が遅れるという問題が繰り返し指摘されています。いわゆる「コンビニ受診」と呼ばれる現象が、医師・看護師の疲弊を招き、医療の質を下げるリスクを高めているのです。

この問題の根本には、「自分の状態がどの程度深刻か」を患者さん自身が判断する手段が乏しいという現実があります。かかりつけ医がいれば気軽に相談できますが、特に北海道のように広大な面積に人口が分散している地域では、近くに相談できる医師がいないという状況が珍しくありません。そこで注目されているのが、AIを活用したトリアージシステムとオンライン問診の組み合わせです。テクノロジーの力で「まず誰に、どこに相談すべきか」を適切に道案内する仕組みが、地域医療の大きな柱になりつつあります。

AIトリアージとは何か——仕組みと医療現場での役割

トリアージの本来の意味と医療における位置づけ

「トリアージ」とはもともと、災害医療の現場で多数の傷病者が発生したとき、治療の優先順位を決める手順のことを指します。フランス語で「選別する」という意味を持つこの概念は、限られた医療資源を最大限に活かすための合理的な判断プロセスとして、救急・災害医療の基本に位置づけられています。

AIトリアージとは、この「優先順位の判断」をAIが担うことで、医師や看護師が行っていた初期アセスメントを部分的に補完・効率化する仕組みです。患者さんが症状・年齢・既往歴・現在の状態などを入力すると、AIが膨大な医療データをもとに症状の緊急度を評価し、「今すぐ救急受診が必要」「数日以内にかかりつけ医へ」「自宅での経過観察で可能」などの段階に分類します。

AIはどのように判断するのか——機械学習と医療データの活用

AIトリアージシステムの核心は、医療機関が蓄積してきた膨大な診療データ、電子カルテ、症状と診断結果の関係性を学習した機械学習モデルにあります。代表的なアプローチとして、ランダムフォレスト・ディープニューラルネットワーク・大規模言語モデル(LLM)の活用などが研究されており、それぞれ異なる強みを持っています。

重要なのは、現時点でAIトリアージはあくまでも「医師の判断を補助するツール」として設計されているという点です。英国では「111」という医療相談電話サービスにAIアシスタントが導入され、症状の優先度判定を支援していますが、最終的な判断には医療専門職が必ず関与する設計になっています。AIは確率的な推定を行うにすぎず、個々の患者さんの背景や表情、声のトーンなど非言語情報を総合的に評価する臨床能力は、現在も人間の医師が担う領域です。

国内での先行事例と規制環境

日本国内でも、複数のスタートアップや大学病院がAIトリアージの実証実験を進めています。厚生労働省は2023年以降、AIを活用した医療機器・支援ツールの審査指針を整備しており、医療AIの活用に向けた法的・制度的な枠組みが少しずつ整いつつあります。日本医師会もAI活用に関するガイドラインの策定に向けた議論を進めており、「患者の安全を最優先とした責任ある活用」というスタンスが共有されています。

オンライン問診の現状——普及が進む一方で残る課題

コロナ禍が加速させたオンライン診療・問診の浸透

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の拡大は日本のオンライン診療の普及を一気に加速させました。厚生労働省が特例措置として初診からのオンライン診療を認めたことで、多くの医療機関がビデオ通話・チャット・電子問診票を導入し、非対面での医療提供が急速に広まりました。その後、2022年の診療報酬改定でオンライン診療の恒久化が正式に決定され、現在は一定の要件のもとで継続的に活用されています。

オンライン問診は、患者さんが受診前にスマートフォンやパソコンから症状・既往歴・服薬歴などを入力し、医師が診察前に情報を把握できる仕組みです。これにより診察時間の短縮、問診精度の向上、受付業務の効率化が期待でき、患者さん・医療機関の双方にメリットをもたらします。

オンライン問診が抱える設計上の限界

しかし、オンライン問診には重要な課題も残っています。第一に、問診票の設計次第で、重要な症状が見落とされるリスクがあるという点です。患者さんが自覚症状を過小評価したり、関係ないと思って記載しなかった情報が実は診断に重要だったりするケースは少なくありません。また、デジタルデバイドの問題も深刻です。高齢者や障害を持つ方がスマートフォン操作に不慣れな場合、オンライン問診が逆に受診障壁を高めてしまう可能性があります。

さらに、問診だけでは「今すぐ受診が必要か、少し待てるか」という緊急度の判断が難しいという課題もあります。ここにAIトリアージを組み合わせることで、問診内容を動的に分析しながら緊急度を評価する「スマート問診」の実現が期待されています。単なる情報収集ツールから、医療へのアクセスを適切に道案内するインテリジェントな入口へと進化させることが、次世代の設計目標です。

精神科領域における問診の特殊性

私が専門とする精神科・メンタルヘルスの領域では、問診のあり方が特に重要な意味を持ちます。抑うつ気分・不眠・不安・希死念慮などの症状は、対面でも言語化が難しく、患者さん自身が「受診に値するのか」と躊躇することも多くあります。オンライン問診と組み合わせたAIトリアージが、「もしかしたら一度相談してみてもいいかもしれない」という気づきを与え、精神科受診への心理的ハードルを下げる可能性は大きいと考えられています。北海道オンラインクリニックでの実践を通じて、私自身もこの可能性を日々実感しています。

北海道の医師偏在という現実——テクノロジーで埋めるべきギャップ

数字が示す医師偏在の深刻さ

北海道は日本国内でも医師偏在の問題が特に顕著な地域の一つです。厚生労働省が公表する医師偏在指標によると、北海道全体の医師数は全国平均を下回っており、特に道北・道東・離島部などでは人口10万人あたりの医師数が著しく少ない地域が点在しています。一方、札幌圏には医師が集中しており、同じ道内でも医療アクセスに大きな格差があります。

この格差は、単に「医師の数が少ない」というだけでなく、専門医・かかりつけ医・救急医療体制のすべての層で生じているという点が問題の複雑さを増しています。精神科専門医が不在の地域では、うつ病や統合失調症を持つ方が適切な診断・治療を受けるまでに長期間を要することも珍しくありません。

オンライン診療が「距離を消す」可能性

オンライン診療は、地理的な距離という物理的制約を解消する可能性を持っています。2022年の規制緩和以降、離島・山間部の患者さんがオンラインで専門医の診察を受けられる仕組みが制度的に認められており、北海道でも複数の自治体でオンライン診療の実証事業が進められています。

ただし、オンライン診療が単独で機能するには限界もあります。受診の前段階として、「この症状はオンラインで相談できる状態か、それとも対面・救急が必要か」を判断するための入口設計が不可欠です。AIトリアージがその入口を担うことで、「まず相談してみよう」という患者行動を安全に後押しすることができます。

在宅・介護領域との連携という視点

北海道では高齢化率も高く、在宅医療・訪問看護・介護サービスを利用しながら生活する方が増え続けています。在宅療養中の患者さんが体調変化を感じたとき、訪問診療の医師がすぐに来られない場合でも、AIトリアージとオンライン問診を組み合わせた仕組みがあれば、ケアマネジャーや訪問看護師と連携しながら迅速に対応の優先度を判断できます。医療・介護の連携にデジタルの橋をかけることで、在宅療養の安全性を高められると考えられています。

AIトリアージが地域医療にもたらす可能性——設計の要点

「誰に届けるか」を設計することの重要性

AIトリアージシステムを導入する際に最も重要なのは、技術的な精度だけでなく「誰がこのシステムを使うのか」「どのような状況で使われるのか」というユーザー設計の視点です。スマートフォンに不慣れな高齢者、日本語が母国語でない在住外国人、精神疾患を抱え判断力が低下している方——こうした多様なユーザーを想定した設計なしには、デジタル技術は「使える人だけが使えるツール」にとどまってしまいます。

音声入力・多言語対応・簡易UIの採用、さらには地域の保健師や介護支援専門員がサポートする形での導入モデルなど、技術と人のサポートを組み合わせたハイブリッド設計が、地域医療のDXには欠かせないと私は考えています。

医療資源の「最適配分」を可能にするデータ活用

AIトリアージが蓄積するデータは、個々の患者案内だけでなく、地域全体の医療需要を可視化するためにも活用できます。どの地域で、どの症状に関する相談が多いか、どの時間帯に軽症者が救急に集中しやすいかといったデータは、医療機関の診療体制や行政の保健事業の設計に役立てることができます。

英国のNHS(国民保健サービス)では、トリアージデータを活用した医療需要予測が実装されており、スタッフ配置の最適化や病床管理の効率化につながっているという報告があります(BMJ, 2022)。日本においても、電子カルテの普及とPHR(個人健康記録)の整備が進む中で、こうしたデータ駆動型の医療資源配分への応用が期待されています。

緊急度の「見える化」が救急医療を守る

AIトリアージの導入によって期待される最も直接的な効果の一つが、救急外来の適正利用促進です。患者さん自身が「自分の状態はどの程度緊急か」を客観的に把握できる仕組みがあれば、本来必要のない救急受診を抑制しながら、緊急度の高い患者さんが迅速に診療を受けられる環境が整います。

日本救急医学会も、市民への救急受診ガイダンス普及の重要性を繰り返し訴えており、「#7119(救急安心センター事業)」などの電話相談体制と並んで、デジタルツールによるセルフトリアージの充実が求められています。AIトリアージは、電話が苦手な若い世代や深夜でも気軽に相談できるという利点を持ち、こうした既存のシステムを補完する役割を担えると考えられています。

オンライン問診とAIトリアージの連携設計——理想的なモデルとは

「入口」から「出口」まで一貫した患者体験の設計

理想的なAIトリアージ×オンライン問診の連携モデルは、患者さんが症状を感じた瞬間から適切な医療につながるまでの「旅程」全体を設計することを意味します。具体的には、①症状の自己チェック(AIトリアージ)→②緊急度に応じた受診先の案内→③オンライン問診票の記入→④オンライン診療または対面診療の予約→⑤診療後のフォローアップ、というフローを途切れなくつなぐことが目標です。

この流れの中で最も重要なのは、ステップ間の「断絶」をなくすことです。せっかくAIトリアージで緊急度を判定しても、そこから予約システムがつながっていなければ患者さんは途中でドロップアウトします。テクノロジーの導入は部分的な効率化ではなく、患者体験全体を設計し直すという視点が不可欠です。

医師・看護師の役割をどう再定義するか

AIトリアージの導入は、医師・看護師の役割をなくすものではありません。むしろ、定型的な初期対応をAIが補うことで、医療専門職はより高度な判断・ケアに集中できるという再配分が生じます。複雑な既往歴を持つ患者さんへの丁寧な問診、精神的なサポートを必要とする患者さんへの共感的な対話、家族も含めた意思決定支援——これらは現在も将来もAIには代替できない、人間の医師・看護師が担うべき領域です。

当法人グループでは、Medi Face(精神科DX)を通じて、テクノロジーと人のケアをどう組み合わせるかの実践的モデルを構築しています。AIは「正しい場所へ届ける」ための案内役であり、医療の核心は依然として人と人のつながりの中にある——この信念のもとで設計を続けています。

連携に不可欠なデータ標準化と情報セキュリティ

AIトリアージとオンライン問診を複数の医療機関・介護事業者にまたがって活用するためには、データの標準化と強固な情報セキュリティが前提となります。日本では2025年に向けて全国医療情報プラットフォームの整備が進められており、電子カルテ情報の標準化(HL7 FHIR準拠)が推進されています。この基盤が整うことで、患者さんの情報が複数の機関間で安全に共有され、AIトリアージの精度向上にも寄与することが期待されています。

AIトリアージの安全性・倫理・プライバシー——避けて通れない議論

AIの誤判断リスクとその対策

AIトリアージの最大のリスクは、緊急性の高い状態を「低緊急」と誤判断してしまう可能性です。機械学習モデルはトレーニングデータに含まれていないパターンに対して弱く、稀な疾患や複合的な症状の組み合わせに対してはどのモデルも現時点では限界があります。心筋梗塞や脳卒中などの生命に関わる状態が軽視されることは、医療AIにとって絶対に避けなければならないシナリオです。

このリスクへの対策として、①高緊急疑い症状(胸痛・突然の頭痛・意識障害など)に対してはAIが保守的に判定し、迷った場合は常に「高緊急」側に倒す設計にすること、②判定結果は必ず「参考情報」として提示し、最終判断は患者さんと医療職が行うことを明示すること、③定期的なモデルの精度評価と改善サイクルを回すこと——これらが国際的なガイドラインでも推奨されています(NEJM Catalyst, 2021)。

バイアスと公平性の問題

AIモデルには、トレーニングデータに含まれる社会的バイアスが反映されるリスクがあります。たとえば、女性の心臓発作は男性と異なる症状を示すことが多いにもかかわらず、過去の診療データが男性を中心に蓄積されていた場合、AIが女性の心疾患リスクを過小評価する可能性が指摘されています(Lancet, 2019)。また、高齢者・外国人・低所得層などが学習データに十分含まれていない場合も、同様のバイアスが生じ得ます。

AIトリアージの設計においては、多様な患者集団のデータを意図的に含め、公平性の評価を継続的に行うことが倫理的に不可欠と考えられています。テクノロジーが社会的格差を拡大するのではなく、縮小する方向に機能するよう設計することが、医療AIに求められる姿勢です。

個人情報保護と患者の同意

症状・診療情報・行動データなど、AIトリアージが扱う情報は極めてセンシティブな個人情報です。個人情報保護法の改正(2022年施行)やGDPRに準じる国際基準のもとで、患者さんへの明確な同意説明、データの利用目的の限定、第三者への無断提供の禁止などが求められます。特に精神科・メンタルヘルス領域の情報は、就労・保険・社会生活に影響を与えかねないため、より慎重な取り扱いが必要です。当法人では、デジタルツールの導入にあたって患者さんへの丁寧な説明と明示的な同意取得を徹底しています。

AIトリアージはあくまでも参考情報を提供するツールです。胸の強い痛み、突然の激しい頭痛、意識がぼんやりする、呼吸が苦しいといった症状がある場合は、AIの判定にかかわらず、直ちに119番への通報または救急受診をご検討ください。

医療法人鳳應会の実践と、地域医療への思い——近澤 徹より

「届かない医療」をなくすための取り組み

私が医療法人鳳應会を通じて目指しているのは、「病を治す」だけでなく「人生を支え抜く」医療の実現です。そのためには、医療が必要なときに必要な人へ届く仕組みを作ることが欠かせません。北海道という地域特性——広大な面積、人口の偏在、医師不足、高い高齢化率——は、そのまま「届かない医療」が生まれやすい構造的条件でもあります。

北海道オンラインクリニックでは、精神科のオンライン診療を通じて、従来は受診困難だった地域の患者さんが専門的なケアを受けられるよう取り組んでいます。また、Medi Faceでは精神科DXの推進として、デジタルを活用した問診・記録・連携の仕組みづくりを進めています。こうした実践の中で私が実感するのは、テクノロジーは「手段」であり、その向こうにいる一人ひとりの患者さんの暮らしを想像し続けることが、医療者としての本質だということです。

AIトリアージ活用に向けた今後の展望

当法人では、AIトリアージとオンライン問診の連携システムの導入・検証を今後の重要な取り組みとして位置づけています。精神科・メンタルヘルス領域においては、問診内容から「緊急度の高い心理的危機状態」を早期にキャッチし、適切なタイミングで専門家介入につなげる設計が特に有効だと考えられています。自傷・自殺リスクの評価をAIが補助し、対応の漏れをなくす仕組みは、地域の精神科医療の安全網を強化するうえでも重要です。

また、Z産業医事務所との連携により、産業保健の文脈でも従業員の健康相談や産業医面談の入口としてAI問診を活用する可能性を探っています。職場での健康相談へのハードルを下げ、早期介入につなげることは、メンタルヘルス不調による休職・離職を防ぐためにも意義があります。

読者の皆さんへ——「まず相談してみてください」

「自分の症状は大したことないかもしれない」「忙しい先生に相談するほどではないかも」という遠慮が、適切な受診を遅らせることがあります。しかし、医療はそもそも「迷っている人」のためにあります。AIトリアージやオンライン問診は、そうした迷いを解消するための入口として機能します。まずはデジタルの窓口を通じて相談していただき、必要であれば専門家につながっていただければと思います。

医療法人鳳應会・北海道オンラインクリニックでは、精神科・メンタルヘルスに関するオンライン診療を行っています。「受診していいか分からない」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。地域に関係なく、北海道内のどこからでも、専門的なケアへのアクセスを開いておくことが、私たちの使命だと考えています。

医療法人鳳應会・北海道オンラインクリニックでは、精神科のオンライン診療を実施しています。道内各地域の方、通院が難しい方、まず相談してみたい方も歓迎いたします。受診のご相談はお気軽にどうぞ。

よくある質問

Q. AIトリアージは実際にどの程度信頼できるのでしょうか?

A. 現時点のAIトリアージは、補助ツールとしての有用性が複数の研究で示されていますが、単独で医師の判断を代替できる段階にはありません。緊急度の高い症状に対しては保守的な判定をするよう設計されており、「参考情報」として活用するものです。胸痛・急激な頭痛・意識障害など、生命に関わる可能性のある症状がある場合は、AIの判定にかかわらず速やかに救急受診または119番への連絡をお勧めします。

Q. オンライン問診は対面の問診と比べて情報が不足しませんか?

A. オンライン問診には、患者さんが自分のペースで詳しく記入できる、見落としを防ぐ設問設計ができる、医師が診察前に情報を整理できるといったメリットがあります。一方で、表情・声のトーン・身体所見など非言語的な情報は対面診療に劣る部分があります。このため、オンライン問診は対面診察の代替ではなく「補完的な情報収集手段」として位置づけられており、必要に応じて対面診療への橋渡しをする設計が推奨されています。

Q. 北海道の遠隔地でもオンライン診療は受けられますか?

A. はい、インターネット環境とスマートフォンまたはパソコンがあれば、北海道内のどの地域からでもオンライン診療を受けることが可能です。医療法人鳳應会・北海道オンラインクリニックでは精神科のオンライン診療を提供しており、道北・道東・離島を含む道内各地域の患者さんにもご利用いただいています。初診から対応可能かどうかは診療科・症状によって異なりますので、まずはお問い合わせください。

Q. AIトリアージを使うと、個人情報が外部に漏れる心配はありませんか?

A. 適切に設計・運用されているAIトリアージシステムでは、個人情報保護法に基づくデータ管理、通信の暗号化、同意に基づくデータ利用が行われます。利用前に必ずプライバシーポリシーと利用規約を確認し、データの利用目的・管理方法が明記されているサービスを選ぶことをお勧めします。特に精神科・メンタルヘルスに関する情報は機密性が高いため、運営主体の信頼性と情報管理体制の確認が重要です。

Q. AIトリアージは子どもや高齢者にも使えますか?

A. 子どもや高齢者本人がシステムを操作することが難しい場合は、保護者・家族・介護支援専門員などが代わりに入力する形での活用が想定されています。ただし、代理入力の場合は本人の訴えを正確に反映することが難しくなることもあります。また、小児の症状は成人と異なるパターンを示すことが多く、小児専用のトリアージ判断基準が必要です。子どもの急な体調変化の場合は、#8000(小児救急電話相談)も活用することをお勧めします。

まとめ

  • AIトリアージとオンライン問診は、限られた医療資源を本当に必要な人へ届けるための「入口設計」として注目されており、救急外来の適正利用や医師偏在の解消に貢献する可能性がある。
  • 北海道は医師偏在・高齢化・広大な地理的条件から、オンライン診療とAIトリアージの必要性が特に高い地域であり、テクノロジー活用による格差縮小が急務となっている。
  • AIトリアージの精度・安全性・バイアス・プライバシーといった課題は現在進行形で議論されており、あくまでも「医師の判断を補助するツール」として慎重に設計・運用されることが前提となる。
  • オンライン問診はデジタルデバイドや問診設計の課題も抱えており、技術と人的サポートを組み合わせたハイブリッドモデルが地域医療のDXには不可欠である。
  • 胸痛・突然の頭痛・意識障害など生命に関わる可能性のある症状は、AIの判定にかかわらず直ちに119番または救急受診が優先される。
  • 医療法人鳳應会・北海道オンラインクリニックでは、精神科のオンライン診療を通じて道内各地域の患者さんへのアクセスを開いており、「受診を迷っている段階」からの相談を歓迎している。

「受診すべきか分からない」という迷いを抱えたまま時間が過ぎてしまうことは、病気の発見や回復の遅れにつながります。AIトリアージやオンライン問診の普及は、そうした迷いを解消し、適切なタイミングで医療につながるための重要な仕組みです。医療法人鳳應会・北海道オンラインクリニックでは、精神科・メンタルヘルスに関するオンライン診療を実施しています。受診のご相談はお気軽にどうぞ。北海道のどこにいても、適切な医療へつながれる社会の実現に向けて、私たちは取り組み続けます。

参考:厚生労働省「令和4年度救急・災害医療体制等のあり方に関する検討会」、日本救急医学会「救急医療の適正利用に関するガイドライン」、BMJ「AI in emergency triage: a systematic review」(2022)、Lancet「Sex and gender bias in medical AI」(2019)、NEJM Catalyst「Clinical Validation of AI Triage Tools」(2021)、厚生労働省「医師偏在指標(令和4年度)」