「制度の狭間」に落ちる人々——北海道の生活困窮支援が抱える現実

「もう少し早く気づいていれば」——支援の現場でこの言葉を聞くたびに、私は医師として深く考えさせられます。生活に困窮した方が医療機関を受診したとき、その背景には住まいの不安定さ、孤立、精神的な不調、経済的な行き詰まりが複雑に絡み合っていることが少なくありません。しかし、医療機関単独でできることには限界があります。

日本では2015年に「生活困窮者自立支援法」が施行され、各自治体が相談窓口を設けて包括的な支援を行う体制が整えられました。しかし現実には、医療・福祉・就労・住宅といった支援の各領域が縦割り構造のまま運営されており、情報が途中で途切れてしまうケースが多く報告されています。厚生労働省の2022年度調査によると、自立相談支援機関への新規相談受付件数は全国で約27万件に上りましたが、継続的な支援につながった割合は決して高いとは言えない状況が続いています。

特に北海道は、広大な地理的条件と人口分散によって、札幌や小樽などの都市部でさえも支援の届きにくい地域があります。冬季の厳しい気候のもとで住まいを失うことは生命に直結するリスクをはらんでいます。こうした地域特性を踏まえたとき、デジタル技術を活用したデータ連携——すなわち福祉DXの推進は、単なる業務効率化ではなく、人命にかかわる喫緊の課題として位置づけられるべきものだと私は考えています。

このコラムでは、生活困窮者支援においてデータ連携がなぜ必要なのか、どのように機能するのか、そして私たち医療法人鳳應会が地域の医療・福祉の担い手としてどのような役割を果たせるのかについて、できる限り丁寧にお伝えします。

縦割り行政の壁——なぜ情報はつながらないのか

支援機関ごとに閉じた情報の孤島

生活困窮者を取り巻く支援には、自立相談支援機関(自治体)、医療機関、介護事業者、就労支援機関、NPO・社会福祉法人、精神保健福祉センターなど、多様な主体が関わります。それぞれが支援の記録を持っていても、それらは各組織のシステムや紙台帳の中に閉じたままであることがほとんどです。

たとえば、ある方が生活保護の相談を福祉事務所に行ったとします。同時期に精神科外来を受診していたとしても、その情報が福祉事務所に届くことは原則としてありません。医師は就労可能性についての医療情報を持っていても、福祉担当者はそれを知らないまま支援方針を立てるしかない——こうした情報の分断が、支援の重複や抜け漏れを生み出しています。

法制度の違いが情報共有を阻む

情報連携が進まない背景には、法律上の制約もあります。医療情報には個人情報保護法に加え、守秘義務が課されており、本人の同意なく第三者に提供することは原則禁止されています。一方、自治体が保有する生活保護や税情報にも、それぞれ法的な利用制限があります。善意で情報をつなごうとしても、法の壁に阻まれてしまうケースが現場では多く発生しています。

こうした状況は日本に限ったことではありません。英国では「ノー・ワン・フォールズ・スルー・ザ・ネット(誰も網の目からこぼれ落ちない)」というスローガンのもと、地域包括的なデータ共有プラットフォームの整備が進められており、BMJにもその効果を論じた論文が複数掲載されています。日本においても、こうした国際的な知見を参考にしながら、法的整理とデジタル整備を同時に進める必要があります。

現場職員の疲弊という見えにくい問題

データが連携されていないため、支援者は電話や訪問によって情報収集を一から行わなければなりません。一人の相談者のために複数機関に問い合わせを繰り返す作業は、限られたマンパワーの中で働く現場職員に大きな負担をかけています。職員の疲弊は離職につながり、それがさらに支援の質を低下させるという悪循環を生み出しています。デジタル化によって情報収集にかかる時間を短縮することは、支援の質を上げるだけでなく、現場を守ることにも直結します。

福祉DXとデータ連携——何がどう変わるのか

「支援の見える化」がもたらす変革

データ連携とは、複数の組織が保有する情報を安全な仕組みのもとで共有・参照できるようにすることです。医療・福祉・行政のデータが連携されれば、ある支援者が担当するケースについて、過去の受診歴、福祉サービスの利用状況、相談記録などを統合的に確認できるようになります。これにより、「今この人に何が必要か」を多職種が共通認識として持てるようになります。

厚生労働省は2023年度より「重層的支援体制整備事業」の一環として、デジタルを活用した多機関協働のモデル事業を推進しています。この事業では、参加自治体が情報共有の同意取得プロセスを整備し、支援プラットフォームを構築する取り組みが進められており、一部の自治体では相談から支援開始までのリードタイムが大幅に短縮されたとの報告もあります。

マイナンバーと公的DB活用の可能性と課題

マイナンバー制度は本来、社会保障・税・災害対策の情報を効率的に連携するために設計されました。生活困窮者支援においても、マイナンバーを活用することで、複数の公的サービスにまたがる情報をより正確に把握できる可能性があります。ただし、マイナンバーを活用できる情報の範囲は法律で厳格に定められており、現時点では医療情報との直接連携は限定的です。

今後は、個人情報保護を徹底しながらも、本人の同意に基づいて医療・福祉・行政の情報を安全に連携できる仕組みの整備が求められます。デジタル庁が推進する「ガバメントクラウド」や「マイナポータル」の機能拡充が進む中で、支援の現場がこれらをどう実装するかは、行政だけでなく医療機関もともに考えるべき課題です。

AI・予測モデルによるアウトリーチの革新

データ連携のさらなる発展として、AIを活用した予測モデルの導入も注目されています。複数の社会経済指標や相談履歴をもとに、支援が必要になる可能性の高い人を事前に把握し、アウトリーチにつなげるという仕組みです。米国や英国の一部自治体ではすでに試験的な導入が行われており、ホームレス状態になるリスクの高い人への早期介入に一定の効果が確認されています。日本においても、個人情報保護と公益のバランスを慎重に議論しながら、こうした取り組みを地道に積み上げていくことが重要と考えられます。

医療機関が担うべき役割——「診る」から「つなぐ」へ

診察室は「困窮の入口」になりえる

生活困窮者が最初に公的機関に接触する場所として、医療機関が選ばれることは少なくありません。経済的な理由から問題を長期間放置し、体調が悪化して受診するというパターンが典型的です。この段階で医師や医療ソーシャルワーカー(MSW)が適切に困窮のサインを察知し、支援機関につなぐことができれば、その後の生活再建に向けた重要な一歩となります。

私が日々の診療の中で実感するのは、「医療のことだけを診ていては、患者さんの問題は解決しない」という事実です。経済的困窮が続けば治療を継続する余裕がなくなり、病状が悪化する。病状が悪化すれば就労ができず、さらに困窮が深まる。このスパイラルを断ち切るには、医療機関が積極的に福祉の入口としての機能を果たす必要があります。

医療ソーシャルワーカーとの連携強化

医療機関において、この橋渡し役を担うのが医療ソーシャルワーカー(MSW)です。MSWは患者の社会的背景を把握し、適切な支援機関に情報をつなぐ専門職ですが、その活動はデータシステムとの連携が十分でないために、属人的・個別対応的になりがちです。医療機関の電子カルテと福祉機関のシステムが連携されれば、MSWの業務効率は飛躍的に向上すると考えられます。

また、精神科・心療内科においては、患者の生活背景が診療の質に直接影響します。居住の安定や経済的安心は、精神的健康の基盤となる社会的決定要因(SDH:Social Determinants of Health)のひとつとして、WHO・世界精神保健連盟でも強調されています。医師が処方や心理的アプローチに加えて、社会的支援の調整に関与できる環境を整えることは、精神科診療の質そのものを高めることにつながります。

オンライン診療が広げる支援の射程

当法人が運営する「北海道オンラインクリニック」では、精神科領域のオンライン診療を提供しています。経済的な事情や交通手段の問題で通院が難しい方にとって、オンライン診療は医療へのアクセスを大きく改善する手段です。さらに、オンライン診療プラットフォームをデータ連携の接点として位置づけることで、受診情報を支援機関に適切につなぐ経路を構築できる可能性があります。医療と福祉のデータをつなぐ「ハブ」として、オンライン診療の役割はこれからさらに広がると考えられます。

自治体・NPO・医療が連携する包括支援モデルの実際

重層的支援体制整備事業の概要

2021年に改正された社会福祉法により、「重層的支援体制整備事業」が創設されました。この事業は、属性を問わず誰もが相談できる「断らない相談支援」を実現するため、介護・障害・子育て・生活困窮の各分野の相談機能を一体的に整備するものです。自治体がこの事業を実施する際には、各支援機関が情報を共有しながら「支援会議」を開催することが想定されています。

ただし、情報共有の具体的な方法や使用するシステムは各自治体に委ねられており、先進的な自治体と整備が遅れた自治体の間に大きな格差が生じています。札幌市は政令指定都市として比較的早期に体制整備が進んでいる一方、道内の中小自治体では人員・財源・ICTインフラのいずれも不足しているケースが多く見られます。

全国の先進事例に学ぶ

全国に目を向けると、岡山市では「岡山市まるごと相談支援センター」が独自のシステムを構築し、複数の支援機関がリアルタイムでケース情報を共有できる環境を整えました。横浜市では生活困窮者の相談データを分析し、支援ニーズの地域分布を見える化する取り組みが進んでいます。こうした事例は、北海道の自治体にとっても重要な参考モデルとなり得ます。

重要なのは、システムを導入するだけでなく、「人が情報を使いこなす」ための研修・組織変革(チェンジマネジメント)を同時に行うことです。ツールは手段であり、目的は一人ひとりの生活を支えることです。デジタル化に伴う形式主義に陥らないよう、現場の実態に即した運用設計が不可欠です。

民間医療機関・NPOとの役割分担

自治体だけがデータ連携を担うのではなく、医療法人や社会福祉法人、NPOがそれぞれのデータを持ち寄り、安全な連携基盤を構築するという方向性も検討されています。当法人は、精神科・訪問診療・産業医・オンライン診療という多様な接点を持つことから、こうした連携プラットフォームの参加主体として地域の中で貢献できると考えています。民間と公共が対等なパートナーとして支援の網を張ることが、「制度の狭間」をなくすための現実的な方法のひとつです。

個人情報保護と信頼構築——DXの大前提として

本人同意と透明性の確保が最優先

データ連携を推進する上で、個人情報保護は最も慎重に扱わなければならない問題です。支援の対象となる生活困窮者の方々は、社会的に脆弱な立場にあることが多く、情報が適切に扱われないことへの不安や恐怖を抱いている方も少なくありません。「自分の情報がどこに共有されるのか分からない」という不信感は、支援への接続を妨げる大きな障壁となります。

このため、データ連携の設計において本人の明示的な同意(インフォームドコンセント)と、情報の用途・共有範囲についての透明な説明は絶対に外せない条件です。欧州のGDPR(一般データ保護規則)が示すように、データの主体は「使われる側」ではなく「権利を持つ個人」であるという視点が、日本の福祉DXの設計にも必要です。

セキュリティ体制の整備と自治体の責任

複数機関がデータを共有するシステムには、必然的にセキュリティリスクが伴います。自治体や医療機関のシステムへの不正アクセスや情報漏えいは、すでに国内外で複数の事例が報告されています。福祉DXを推進する際には、政府が定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」(厚生労働省・第6.0版)や、デジタル庁の「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(ISMAP)」に準拠したシステム設計が求められます。

当法人においても、電子カルテや患者情報管理において適切なセキュリティ対策を継続的に強化しており、情報を「つなぐ」ためにはまず「守る」体制が必要だという認識を持って取り組んでいます。

信頼の積み重ねが連携を可能にする

データ連携が機能するかどうかは、最終的には「機関同士の信頼関係」によって左右されます。自治体・医療機関・NPOがそれぞれの専門性と倫理観を尊重し合う関係性がなければ、システムだけを整備しても実効性は生まれません。札幌・小樽で地域に根ざした医療を続けてきた私たちにとって、こうした信頼関係の構築こそが最も大切にしてきたものであり、DX推進においても変わらない基本姿勢です。

北海道における生活困窮支援の課題と今後の展望

地理的条件と人口構造が生む複合的リスク

北海道の生活困窮支援を考えるとき、都市部と過疎地域の二重の課題を同時に視野に入れる必要があります。札幌市への人口集中が続く一方で、道内の多くの自治体では急速な高齢化と人口減少が進んでおり、支援リソースの絶対量が不足しています。そこに冬季の移動困難という条件が加わると、いわゆる「社会的孤立」の問題が深刻度を増します。

厚生労働省の調査では、孤立状態にある人ほど生活困窮に陥るリスクが高く、かつ支援につながりにくいという相関が指摘されています。オンラインを活用したアウトリーチや、SNS・チャットを通じた相談窓口の整備は、こうした孤立した方々への接触手段として有効性が期待されており、北海道の地域特性に特にマッチした施策だと考えられます。

精神科医療と生活困窮支援の交差点

生活困窮者の中には、うつ病・統合失調症・発達障害・アルコール依存症など、精神疾患を抱える方が高い割合で含まれると言われています。国内外の複数の研究が、精神疾患と貧困の相互関連性——精神疾患が貧困を招き、貧困が精神疾患を悪化させるという双方向のプロセス——を示しています(Lancet Psychiatry, 2020年等)。

精神科医療の提供者である私たちにとって、こうした現実は他人事ではありません。当法人が展開する精神科外来・訪問診療・オンライン診療・産業医活動のすべての接点において、社会的困窮のサインを見逃さない意識と、適切な支援機関へのつなぎ方を熟知したスタッフの育成が求められます。「治療」と「生活支援」を一体的に提供できる体制こそが、これからの精神科医療のスタンダードになると私は確信しています。

2025年に向けたデジタル行財政改革の動向

デジタル庁を中心に、2025年度以降の「デジタル行財政改革」の方針が策定されつつあります。社会保障分野においては、マイナンバーカードを基点とした各種サービスの連携強化が予定されており、生活困窮者支援についても情報連携の仕組みが段階的に整備される見込みです。ただし、自治体のDX対応能力には差があり、特に財政規模の小さい道内自治体では国や道による支援が不可欠です。私たちのような地域の医療機関が行政のDX推進に積極的に協力し、ともに仕組みをつくっていく姿勢を持ち続けることが重要だと考えています。

鳳應会が目指す「支え抜く」医療——地域のつなぎ手として

「病を治す」から「人生を支え抜く」へ

医療法人鳳應会は、「病を治す」から「人生を支え抜く」を理念として、保健・医療・福祉の複合体として北海道の地域医療を担ってきました。生活困窮者支援におけるデータ連携DXは、まさにこの理念を実現するための重要な基盤だと位置づけています。医師・看護師・精神保健福祉士・社会福祉士・ケアマネジャーが連携し、デジタルのツールを使いながら一人ひとりの状況に即した支援を届けることが私たちの目標です。

当法人が運営するMedi Face(精神科DX)では、デジタルを活用した精神科支援の仕組みづくりを進めています。また、北海道オンラインクリニックによるオンライン診療は、通院が困難な方々に精神科医療を届ける手段として機能しており、生活困窮状態にある方への支援接続の入口ともなり得ます。これらの取り組みをさらに発展させ、自治体・NPO・福祉機関とのデータ連携に参加できる体制を整えていくことが、当法人の近未来の課題のひとつです。

読者の皆さまへ——まず「相談」から始めてください

このコラムを読んでいる方の中には、自分自身が生活の困難を感じている方、あるいは支援する立場にある方もいるかもしれません。生活に不安がある方は、まずお住まいの市区町村の「生活困窮者自立相談支援機関」や、医療機関の医療ソーシャルワーカーに相談することをお勧めします。相談すること自体には費用がかかりません。

医療・福祉の支援者の方、あるいは自治体のご担当者の方には、ぜひデータ連携の可能性について一緒に考えていただければと思います。当法人では、地域の医療・福祉ネットワークの強化に貢献するために、情報交換や連携の相談を随時お受けしています。縦割りの壁を一つひとつ丁寧に乗り越えながら、北海道の誰もが「支えられている」と感じられる社会をつくることが、私たちの目指す姿です。

医療法人鳳應会は、訪問診療・精神科外来・オンライン診療・産業医・介護支援など多様な支援機能を持つ地域の医療複合体です。生活困窮に関わる問題や、医療・福祉連携についてのご相談は、当法人の各窓口までお気軽にお問い合わせください。

よくある質問

Q. 生活困窮者支援のデータ連携とは、具体的にどういう仕組みですか?

A. 生活困窮者支援のデータ連携とは、自治体の福祉窓口・医療機関・介護事業者・就労支援機関などが、支援対象者に関する情報を安全なシステムを通じて共有・参照できる仕組みのことです。本人の同意を前提として、相談履歴・医療情報・サービス利用状況などを一元的に管理することで、支援の重複や漏れを防ぎ、より効果的な包括的支援を実現することが目的です。

Q. データが共有されることで、個人情報は安全に守られますか?

A. 適切に設計された連携システムでは、本人の明示的な同意に基づいてのみ情報が共有され、利用目的や共有範囲が明確に定められます。また、厚生労働省が定める「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」やデジタル庁の評価制度に準拠したセキュリティ対策が求められます。ただし、運用体制や各機関のシステム整備状況によってリスクは異なるため、継続的な点検と改善が必要とされています。

Q. 北海道の地方部でも福祉DXの恩恵を受けられますか?

A. 北海道の地方部では、財政規模が小さく職員数も限られているため、都市部と比べてDXの整備が遅れている自治体も多い状況です。ただし、クラウドを活用した低コストのシステムや、オンライン診療・オンライン相談といったツールは、地理的な制約を超えてサービスを届ける手段として有効と考えられます。国・道による財政支援の拡充と、地域の医療機関・NPOとの連携が、地方部における福祉DX推進の鍵となります。

Q. 医療機関は生活困窮者支援においてどのような役割を担えますか?

A. 医療機関は、生活困窮者が最初に接触する公的機関のひとつとなることが多く、困窮の早期発見と支援機関へのつなぎ役(スクリーニング・リファー)として重要な位置づけを持ちます。医療ソーシャルワーカー(MSW)の配置や、電子カルテと福祉情報システムの連携整備、オンライン診療を活用したアウトリーチなど、医療機関が担える役割は多岐にわたります。

Q. オンライン診療は生活困窮者の支援に役立ちますか?

A. オンライン診療は、交通費・時間・移動の困難といった受診の障壁を低減する効果が期待されており、生活困窮状態にある方の医療アクセス改善に有効と考えられています。特に精神科・心療内科の領域では、精神的な不調を抱えながら外出が困難な方への対応として、オンライン診療の意義は大きいとされています。北海道オンラインクリニックでは、こうした方々への対応を継続的に行っています。

まとめ

  • 生活困窮者支援は、自治体・医療・福祉・就労支援など多くの機関が関与するが、縦割りによる情報の分断が支援の抜け漏れを生んでいる。
  • 福祉DXとデータ連携により、支援対象者に関する情報を多機関が安全に共有できるようになることで、包括的かつ継続的な支援の実現が期待される。
  • 個人情報保護・本人同意・セキュリティ体制の整備は、データ連携推進の大前提であり、透明性の確保が信頼構築の基盤となる。
  • 医療機関は、生活困窮の早期発見と支援機関へのつなぎ役として重要な機能を担えるほか、オンライン診療を通じた医療アクセス改善にも貢献できる。
  • 北海道の地理的・人口的条件を踏まえると、オンライン相談・オンライン診療・クラウド活用型の連携システムが特に有効な手段として位置づけられる。
  • 医療法人鳳應会は、「人生を支え抜く」理念のもと、地域の医療・福祉ネットワークの一員として、生活困窮者支援に関する連携・相談を随時受け付けている。

生活の困難を感じている方、あるいは支援の仕組みづくりにお悩みの行政・福祉関係者の方は、ぜひ医療法人鳳應会または当法人の各関連機関までご相談ください。「制度の狭間」をなくし、北海道の誰もが安心して生きられる地域をともにつくっていきたいと考えています。

【参考資料】厚生労働省「生活困窮者自立支援制度の実施状況調査」(2022年度)/同「重層的支援体制整備事業について」/デジタル庁「デジタル行財政改革」推進方針/WHO「Social Determinants of Health」報告書/Lancet Psychiatry(2020)"Poverty and mental health"/厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第6.0版」(2023年)